山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

遭難者の遺体を何体か、剥製の製作技術を生かして加工したことがある男が

      2017/04/04

597: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2005/11/20(日) 10:01:34 ID:WahbDJhc0
狩猟をし、山菜を売り、剥製を作り、民芸品も作る。
本人によれば、山に寄生しているようなものだという。
とんでもない山奥に、そんな男がいた。
ずっと昔、遭難者の遺体を何体か、剥製の製作技術を生かして
加工し、日持ちするようにしたことがあるという。
普通は医者がすべきことだが、遺体を山から搬出するのに
数日かかるような辺境では、彼のような技術者にでも頼む他ない。

正式には、どこからの依頼だったか聞いたはずだが、泥酔していた
俺の記憶は、あちこちで飛んでしまっている。

たいていは損傷箇所を修復し、人に見せられる状態まで復元し、
簡単な防腐処理を施すだけだったが、時には例外もあった。

警察から、彼の手元に若い女性の遺体が届けられた時のことだ。
防腐処理の準備をしていると、遺体の父親が訪ねてきた。
遺体は実家まで持ち帰り、きちんとした葬式をした上で焼くことに
したと告げられ、間に合わせの防腐処理でなく、もっときちんと
加工して欲しいと要求された。
時間はいくらかかっても構わない。
綺麗な姿で家に帰したいという言葉には説得力があった。
要望を取り入れると、ほとんど剥製と変わらなくなる。
そのあたりで、妙だな、とは無論思った。

598: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2005/11/20(日) 10:03:06 ID:WahbDJhc0
承諾し、生まれて初めての人間の剥製を手がけることになった。
うまくいかない部分もあったが、父親はその出来栄えに満足し、相当な
額の謝礼を置き、遺体とともに帰った。
実は、剥製を作っている最中、目の前にいる娘の遺体を山の広場で
焼いたという話を彼は聞いていた。
何を焼いたのか知らないが、娘の遺体は、確かに彼の手元にあった。
多額の謝礼には、口止め料も含まれているのだろうと彼は思った。
こんな山奥では、一生かかっても使い切れそうもない金額だった。

遺体の父親はその後、何度も訪ねてきた。
子供を失った親が、どうしても子供を焼く気になれず・・・
といった理由で、ドライアイス漬けの遺体を持ち込むこともあった。
まずいことになったと気付いたのは、人間の剥製を、すでに何体か
作ってからだった。

彼が手がけた剥製が、特殊な販売ルートで売買されていることも
聞かされ、どうやって手に入れたか知れないような、若い女性の
遺体ばかりが持ち込まれるようになった。
最後の依頼になった女性の遺体を持ち込んだ後、ある地方を大災害が
襲い、その「父親」は、それきり来なくなった。
剥製は完成したが、引き取り手はないままだった。

彼は今も山で暮らしている。
無論、人間の剥製を依頼しに来る者はいない。
それでも彼は、人間の剥製を作りたくなることがあるのだという。

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出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1129644145/