山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

壁の基部でルートが分かりづらい時、残置ハーケンを探すというのは、ひとつの方法

      2016/02/08

232: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2005/07/30(土) 19:25:27 ID:1liC1RpD0
岩壁の基部でルートが分かりづらい時、
残置ハーケンを探すというのは、ひとつの方法だ。

残置ハーケンというのは、以前に誰かが打ち込んだハーケンで、
それがぽつぽつ見受けられるようなら、そのルートは
誰かが登ったという目安になる。

ある岩場でルートを探すうち、残置ハーケンを見つけた。

古いのか、打ち方が悪いのか分からないが、ハーケンが浅く、
抜けかかっていて、まさかとは思うが、うっかり掴まろうものなら、
墜落しかねないほど危うく見えた。

この際、抜いておこう。
屈み込み、指をかけ、引き抜こうとしたハーケンは、簡単に
抜けそうな感じがしたので、指の力を緩めた。
と、ハーケンが何かに引っかかり、止まった。

ぐぐっ、指先に力を感じた。
ハーケンが岩に潜り込む。
目の前、引き抜こうと指をかけたハーケンが、まっすぐ岩の
割れ目に刺さっていくのが見えた。
そして数秒。
どこをどうしようと、このハーケン、もう抜けそうになど見えない。
蹴飛ばしてみたが、ぐらりともしない。

「やる気出したみたいだな」
冷静なのか、動転しているのか、友人が馬鹿なことを言って
登り始め、俺も続いた。
彼も俺も、二度とこのハーケンの事を口にしなかった。

240: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2005/07/30(土) 20:41:57 ID:1liC1RpD0
ちょっとしたハイキングコースのルートを外れ、湿った斜面を
ゆるゆると歩いていていくと、岩をくりぬいた窪みに、人形が並んでいる。
かなり前に見つけた人形で、高さは20センチ以上あり、作りは雛人形だが、
その頬はこけ、肌は茶色く、手の甲など、干からびているように見える。
目は半開きで、干からびたように後退した唇からのぞく歯は、黄色い。

それがちょこんと二体、並んでいる。
何に似ているといって、即身仏に似ている。

耐久性や手入れなど、どうなっているのか分からないが、ともかく
そこに、ずっとある。
不気味で仕方ないが、近くへ行くと、つい覗いてみたくなる。

何回目かの訪問で、周辺の草の中に三体の人形と小さな食膳を見つけた。
それらの人形は倒れ、汚れにまみれているが、肌は白く、
頬はふっくらしているように見えた。
食膳と対になっていて、膳の上には、食事が固定されていた。

その後、食膳と対になった人形を見かけることは無かったが、
その場所を知る知人によれば、つい最近、汚れきった人形が三体、
食膳を前に座っているのを見つけ、ぞっとしたという。
それらの人形は、やせこけ、腹がぷっくりと膨らんだ餓鬼の姿を
しており、食膳の椀や鉢、皿はすっかり空っぽなのだという。

何かの儀式なのか、あるいは趣味やパフォーマンスなのか。
個人的には、うずうずとその人形を見たくなってきている。

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出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1121734649/