山の雨
炭焼き爺さんの昔話
山の雨はな、なんちゅうんじゃろ、落ち着かん雨じゃな。
釜の上に雨よけの屋根つくってあってな、その下で火を見ながら座っとる。
雨が屋根や下生えの上に落ちる音を聞いてるとなんか落ち着かん。
なにかワシの周りに忍び寄ってくるようでな。
背中に虫がはっちょるような気分じゃ。
仲間も同しような気分らしいわ。山の雨はなんかあるんかのう。