土淵村の山男を子供が見た話
2015/08/26
遠野物語より 管理者超訳
土淵村の里の子たちが十四、五人で早池峯に遊びに行った時の事です。
夕方に近くなったので急いで山を降りていたところ、背の高い男が下より急ぎ足で登って来るのに出会いました。
男の肌の色は黒く、目はキラキラしていて、肩には麻かと思える古い浅黄色の風呂敷を持っていました。
恐ろしかったけれども、子供の中の一人が「どこへいくの」と声をかけました所
男は「小国(おぐに)さ行く」と答えました。
その道は小国へ行く道ではなかったので、不審に思って立ち止まっていると、行き過ぎてまもなく、男の姿が見えなくなってしまいました。
「山男だ!」と叫んで子供たちは逃げ帰ったという事です。
出典:http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/52504_49667.html 遠野物語