山女が人夫をたぶらかす話
2015/08/26
遠野物語より 管理者による超訳
離森の長者屋敷には、数年前までマッチの軸木工場がありました。
その小屋の戸口に夜になると女が来て、人を見てげたげたと笑うのです。
堪えかねて工場を大字山口に移してしまいました。
同じ山中に枕木を切り出すために小屋掛けした者がいましたが、夕方になると人夫の者が迷って出ていき、帰ってきては呆然としていることが、しばしばあったとう事です。
そのような人夫が4,5人もありまして、その後もどこかへ出ていくことが度々ありました。
この人たちに後に話を聞くと、女が来てどこかへ連れ出すというのです。
帰ってきて2,3日は記憶が飛んでいたという事でした。
出典:http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/52504_49667.html 遠野物語