ホーム > Part54 > 人化け 2015/07/03 336 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2011/04/25(月) 21:22:35.01 ID:4zKKwHzs0 [3/3回(PC)] 知り合いの話。 実家の裏山で一仕事終え、暮れなずむ道を叔父と下っていた。 いつしか後ろから枯枝を踏みしだく音が聞こえてくる。 背後を見やると、茶色っぽい人影が二人の後についてきていた。 叔父は手頃な石を拾い上げると、プッと唾を吹き付け、おもむろに投げつけた。 命中したと見えた途端、パッと茶色の飛沫が周りに飛び散る。 ばらけた中には何もいない。 とその時、道のずっと先を走り去っていく獣が見えた。 四つ足で細長い尻尾を振りながら必死で駆けていく。 山に疎い彼には正体が皆目わからない。 あっという間に見えなくなった獣の正体を叔父に尋ねてみたが、 「ありゃ獣っていうか人化けだ。まず関わるな」 それだけしか教えてくれなかったという。 投票 0 1 コメントする Part54 雷鳥一号 出典:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1302850900/
実家の裏山で一仕事終え、暮れなずむ道を叔父と下っていた。
いつしか後ろから枯枝を踏みしだく音が聞こえてくる。
背後を見やると、茶色っぽい人影が二人の後についてきていた。
叔父は手頃な石を拾い上げると、プッと唾を吹き付け、おもむろに投げつけた。
命中したと見えた途端、パッと茶色の飛沫が周りに飛び散る。
ばらけた中には何もいない。
とその時、道のずっと先を走り去っていく獣が見えた。
四つ足で細長い尻尾を振りながら必死で駆けていく。
山に疎い彼には正体が皆目わからない。
あっという間に見えなくなった獣の正体を叔父に尋ねてみたが、
「ありゃ獣っていうか人化けだ。まず関わるな」
それだけしか教えてくれなかったという。