なくした鉈
970 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/22 22:20:18 ID:BU7fbjBy
聞いた話。
男が植林したての斜面で下草刈りをしていると、目の前に抜き身の鉈が落ちてきた。
拾い上げてみると柄のところに自分の名前が彫ってある。昨年山で失ったものだった。
周囲に人の気配は無かったが、刃は見事に研がれていて、放置されていたとは思えない。
持ち帰って使ってみたが、どれだけ乱暴に扱っても刃こぼれする事はなく、
年月を経ても、ずっと切れ味が変わることはなかった。
しかし、男の死ぬと、鉈はいつの間にか無くなってしまった。