山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

筍狩り

      2017/04/04

318では単なる思い出話を書いてしまって恐縮なので今度こそ。
とは言え大して恐くもないけど、体験した本人(俺)は本気で恐かったという話。

 地元に、道内ではほんの少し有名な山菜スポットがある。
 発条やら何やら、中でも筍が大量に採れる事で地元の人間に人気が高い。
 俺は自衛隊員の親父の趣味に影響されて、毎年シーズンになると二人で連れ立って
 筍狩りに出向いていた。

 その日は朝からの快晴もあってか、妙に気分が高揚していた。
 親父は休日出勤と言う事で、今回は車での送り迎えだけを頼んだ。
 早朝、道脇の入り口に到着。親父に下山する時間を告げて山へ入る。
 小さくなっていくカローラを眺め、意地悪く手を振ってやったりした。
 本当に気分が良かった

 いつもの獣道に入る。道には雑草が茂っていて、まだ今季は人がほとんど
来ていない事がわかった。こいつはチャンスだ。
 生い茂る竹やぶを掻き分け、毎年お世話になってる群生地点に到着する。
 程よく成長した筍が俺を待っていた。案の定、ほとんど採られていない。
 俺は背中を汗にじっとり湿らせながら、意気揚々と筍をリュックへ詰めて行いった。

 どれほど経っただろうか。気がつけば、既に下山予定の時刻を過ぎている。
 気温が下がり、雲行きも怪しい。日は既に傾きつつあった。
 清涼な空気は何処へやら、どんよりと重たい閉塞感まで感じる始末。
 木々のざわめきも無く、川のせせらぎだけが響く薄暗い山中というのは
すぐ近くに車の通りがあるとはいえ、中々に不気味なものだ。不安すら感じた。

 俺はリュックを背負いなおすと、なるべく急いで山を降り始めた。
 背中に何故かほんのりと温もりを感じる。その重量に確かな満足感を覚えて
幾分気が楽になった俺は、軽快な足取りで山を下った。

 入り口に親父のカローラが停まっていた。
 少し遅れた事もあって、申し訳なく思いながら手を挙げる。
 親父も俺の方を確認して、クラクションを一回鳴らした。
 と、唐突に親父がクラクションを3~4回叩いた。
 呆気に取られていると、親父が転がるように車から飛び出て来た。
 目をまん丸にに見開いて、俺の背中を指差して

「お前、リュックどうした!」
 俺は「はぁ?ここにあるだろ、ホラ」とリュックを降ろし、眼前に掲げた。

 目の前に、狐の死骸がぶら下がっていた

 
 胴体が千切れかけ、赤黒い断面から骨が見え隠れしていた。
 頭がひしゃげて――ここいらで限界。思い出したら喉に熱い物が……。
 
 つまり、筍狩りを切り上げて下山し始めた時から、約30分間。
 俺はずっと狐の腐乱死体を担ぎながら歩いていたらしい。
 翌日行ってみると、リュックは筍がぎっしり詰まったまま放置されていた。
 幽霊とかいった類いでも無し、聞いた人は大抵呆れ返るが、この体験は
 未だに俺のトラウマになっている。
 なんだったのかね。ホント

 ∑(゚Д゚) 酸素欠乏症でリュックと取り違えたのか…?

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出典:http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1039622601/