ホーム > Part54 > 兄弟船 2015/07/03 468 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2011/05/02(月) 19:33:05.06 ID:e0/8ql8f0 [3/4回(PC)] 先輩の話。 夜の山道を歩いていると、先方の暗闇から男性の歌声が聞こえてきた。 誰かが良い気分で鼻歌を歌っているらしい。ほろ酔いな雰囲気が感じられた。 演歌だ。知らない部分の歌詞を「ふふ~ん♪」で誤魔化しているのが微笑ましい。 やがてすれ違う。 闇の中、歌声だけが、先輩の横を通り過ぎていった。 歌い手の姿はどこにも見えない。 演歌のサビはエンドレス、コブシを効かせながら山奥へと消えていった。 「でもよ、よりによって『兄弟船』を歌ってたんだぜ。 山で歌うのに船は無いだろうが、マッタク」 先輩、貴方ズレてます。 そう思いはしたが、決して口には出さない私だった。 投票 0 1 コメントする Part54 雷鳥一号 出典:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1302850900/
夜の山道を歩いていると、先方の暗闇から男性の歌声が聞こえてきた。
誰かが良い気分で鼻歌を歌っているらしい。ほろ酔いな雰囲気が感じられた。
演歌だ。知らない部分の歌詞を「ふふ~ん♪」で誤魔化しているのが微笑ましい。
やがてすれ違う。
闇の中、歌声だけが、先輩の横を通り過ぎていった。
歌い手の姿はどこにも見えない。
演歌のサビはエンドレス、コブシを効かせながら山奥へと消えていった。
「でもよ、よりによって『兄弟船』を歌ってたんだぜ。
山で歌うのに船は無いだろうが、マッタク」
先輩、貴方ズレてます。
そう思いはしたが、決して口には出さない私だった。