ホーム > Part54 > エンコウ 2015/07/03 403 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2011/04/30(土) 19:51:32.72 ID:/mYGPkSR0 [3/3回(PC)] 昔馴染みの話。 ある朝、里山を歩いていると、ひどい悪臭に襲われた。 生臭い匂いが、眼下の川原から立ち上ってくる。 何か死んでいるのかと下りてみたところ、砂地の上に点々とした窪みが続いていた。 パッと見、人が歩いた跡のように見えた。 青藻のような物が所々にこびり付いているようで、それがとてつもなく臭い。 窪みは川が淵になった場所で途切れていた。 散歩していた近所の小父さんが、彼と同じように川原へ下りてきた。 「おや、久しぶりにエンコウが出たのか」 小父さんによると、これはエンコウと呼ばれる生き物の足跡だという。 いわゆる河童みたいなモノなのだと。 「あいつら日の高い内は出てこないから。 だからしばらくの間、暗くなってからは、この辺をうろつかない方がいいぞ」 それだけ言うと、小父さんは散歩に戻っていった。 投票 0 1 コメントする Part54 雷鳥一号 出典:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1302850900/
ある朝、里山を歩いていると、ひどい悪臭に襲われた。
生臭い匂いが、眼下の川原から立ち上ってくる。
何か死んでいるのかと下りてみたところ、砂地の上に点々とした窪みが続いていた。
パッと見、人が歩いた跡のように見えた。
青藻のような物が所々にこびり付いているようで、それがとてつもなく臭い。
窪みは川が淵になった場所で途切れていた。
散歩していた近所の小父さんが、彼と同じように川原へ下りてきた。
「おや、久しぶりにエンコウが出たのか」
小父さんによると、これはエンコウと呼ばれる生き物の足跡だという。
いわゆる河童みたいなモノなのだと。
「あいつら日の高い内は出てこないから。
だからしばらくの間、暗くなってからは、この辺をうろつかない方がいいぞ」
それだけ言うと、小父さんは散歩に戻っていった。