カランコロン、カランコロン
2015/07/05
今、何時だろうと思い時計を見た。午前2時半だった。
こんな時間からよく歩くよな と思っていた。
音が近づいてくるのはテントの中で寝ていても
よく分かった。
テントの位置から林道までは7、8メートルは
離れていた。
どう聞いても人の歩調のタイミングだ。
「カランコロン、カランコロン」
音は道側から、わざわざテントの裏側まで歩いてきた。
少し怖くなって、寝袋から半身でて目を開けた。
「 誰だよ うっせーな」 と少し大きめな声で
わざといった。
シーンとした沈黙が30秒ほど続き
また、「カランコロン、カランコロン」
音は林道の方向へ向かった。
少しして何か変だなと、思った。
この暗闇なのにライトなしで普通歩けるかよ?
友達を起こし、まだ、聞こえる音の話をした。
確かに音は人のテンポだった。
友達は基自衛隊員、神経が図太いのか
そのまま寝てしまいました。
テントから出て確認したいがが、はっきりいって怖い。
俺はズボンをわざとゆっくり履いて
恐る恐るテントのジッパーをあげた。
音は遠ざかったがまだ、聞こえている。
近くに置いてあった車のハイビームをつけた。
見通しはそんなに悪くはない。
しかし、何もいない。本当に何もない。
「カランコロン、カランコロン」
見えないけど、鈴の音は遠ざかって行った。
背筋がぞーと寒くなって、
ち〇ちんの玉がギュイーンて、上がっていく感じが
今でも忘れることができない。
実に不可解な出来事でした。
本当の話です。
3年ほど前のちょうど今頃、
友達と二人で奥多摩に山登りに出かけた。
仕事を終えてから用意し、出発、
林道に着いたのは12時近かった。
場所を探して日原川を左に見ながら、奥へ
奥へと入って行きました。
林道からは見えるがちょっと奥まった場所へ
テントを張り、ここなら車も歩く人にも
邪魔にはならないだろうと思い。
いつものように、ラーメンを食べ
床に着いた。この日は曇っているせいか、
月も星もなく暗闇で、周りにはだれもいなかった。
少しだけ、うとうとした時に
「カランコロン、カランコロン」
遠くから熊よけの鈴の音が少しずつ近づいてきた