ホーム > 【恐怖】山にまつわる怖い話し 巻の三【戦慄】 > 足音 2015/07/03 2016/12/26 625 : 底名無し沼さん[] 投稿日:04/09/09 23:06 3月の鹿島槍・天狗尾根に登ったとき。快適な雪稜を終えて下山ルートを爺・東尾根に したので、冷池小屋の前にテントを張った。自分たちだけしかいない月明かりの晩、 周りには銀世界が広がっていた。眠りについて5時間ほどして足音で目が覚めた。 テントの周りを歩いている奴がいるのだ、こんな時間に。その足音はテントの周りを 時計回りに雪を踏みしめて歩いている。10周、20周、「オイオイ、いいかげんに してくれよ」と言おうと、テントから首を出そうとしたところで鳥肌が立った。 本能が「外を見るな」と告げている。なぜなら、月明かりでテントの外は明るいのに、影が まったくテントに映らないのだ。仲間は寝たまま起きない。その足音は、途切れることなく 続いていた。シュラフに頭を潜らせて、両耳をふさいでなんとか眠りに付こうとした。 いつのまにか朝になっていた。あれは何だったんだろう、と仲間に聞いても知らないという。 夢ではない。なぜなら自分たちのプラ山靴とは異なる足跡が無数に残っていたのだから。 投票 0 1 コメントする 【恐怖】山にまつわる怖い話し 巻の三【戦慄】 冬山登山雪 出典:http://travel.2ch.net/test/read.cgi/out/1068521711/
したので、冷池小屋の前にテントを張った。自分たちだけしかいない月明かりの晩、
周りには銀世界が広がっていた。眠りについて5時間ほどして足音で目が覚めた。
テントの周りを歩いている奴がいるのだ、こんな時間に。その足音はテントの周りを
時計回りに雪を踏みしめて歩いている。10周、20周、「オイオイ、いいかげんに
してくれよ」と言おうと、テントから首を出そうとしたところで鳥肌が立った。
本能が「外を見るな」と告げている。なぜなら、月明かりでテントの外は明るいのに、影が
まったくテントに映らないのだ。仲間は寝たまま起きない。その足音は、途切れることなく
続いていた。シュラフに頭を潜らせて、両耳をふさいでなんとか眠りに付こうとした。
いつのまにか朝になっていた。あれは何だったんだろう、と仲間に聞いても知らないという。
夢ではない。なぜなら自分たちのプラ山靴とは異なる足跡が無数に残っていたのだから。