遭難
〇〇 〇〇 〇〇… ←連れの名前
全身全霊で叫んだが強風下のテントの中では聞こえるはずもない
自分を落ち尽かさなければ、冷静にならなければ
光も何も見えない、聞こえるのは山をつらぬく空気のおたけびだけ
ヘッドライトの明かりが真っ白で神秘的だ、と一瞬だけ思った。
しかしすごい風だ。標高3000メートル近くでは当たりまえなのか ?
突風で体がなぎ倒されそうになる、
雨が激しく、まるで体を至近距離から小さなエアーガンで連射されているようだ。
5分、10分と時間が過ぎる都度、恐怖が増していった。
まだ死ねない、 死にたくない、死んでたまるか、
気を紛らわすためにメガネを外し、そして指でぬぐった。
それから道らしきところを2歩3歩あるいた時だった
落ち着いていたつもりだが、実は動転していたのだろう。
ああ… がらがらと足元の石がくずれ転落
体が2 3回ころがった、止まった。
左足を岩にぶつけたのに、手のひらを思いきり着いたのに、
こういう時って痛くないです。
目を開けた
白い光の先に見覚えのある札(テント許可書)が見えたように思えた。
これが良くあるパニックの時などの錯覚かと思った。
今度は這いつくばるような格好でそれに近ずいた。
錯覚ではなく本物のテントだった。
時計をみたら1時間以上過ぎていた。
テントの中に入り、心からHo-とした。
神様、仏様、ご先祖様ありがとうございます。
と同時に手と足と肩がイテぇー
助かった 「あまりに遅いから遭難したかと思ったよ」 へへへと言われた。
その純朴で寝ぼけた連れの顔をみて、何故か涙が込み上げてきました。
そうなんです 本当に遭難しそうになりました。
そして2人で笑った。
ちなみに、次の日も濃霧で
予定は奥穂→前穂→上高地 の予定でしたが、
ヘタレなオイラは涸沢経由で帰りました。
教訓
危ない場所で転ぶやつはいない。安全だと思う気持ちの隙に危険は潜んでいる。
それと登山板なので一言
こんな状況の時はテントから出ない。
連れがいる場合は必ず一言断ってから出る。
反射板、ライト(発光物)をテントの近く目立つ場所に着ける。
スレ違いかもしれないが、皆さんならこんなばはいはどうしますか?
山へは行かない、 はなしでおながいしまつ。
長文すまそ
その一
山行の2日目、夜に雨と風がものすごく強くなり
ヒュッテのトイレへ行くタイミングをテントの中で今か、今かと
待っていました。
10時頃(山では夜中)、雨が弱くなったので1人でテントを出発しました。
距離は約40、50メートル程で、テント場へ行く道と下へ降りる道があり、
途中1ヶ所直角に曲がる所がありました。
今思えば霧が濃く、ライトで足元がうっすらと見えるくらいだった。
何も考えず、途中までは右側の石垣をつたい、
曲がり角からトイレまでは明かりがもれていたので簡単に着いた。
ところが、用を済ませてトイレを出てから外を見ると白闇、
何も見えない。まさに雲の中にいるように真っ白、
足元もほとんど見えない状態でメガネが曇ったせいでもなかった。
まあ、テントまではそんなに遠くでもないし、
声を出せば返事をしてくれるだろう、と思ったオイラは馬鹿だった。
来た道を目を凝らしながらもどったつもりだが、
そこが本当に道なのかただの岩肌なのかわからなかった。
何度か行ったり来たり繰り返しているうちに、
ヒュッテの明かりも見えなくなり
テントまでの方角や距離感もわからなくなってしまった。
そういえば立山でも似たような経験があったのに
学習能力の低いオイラにはなんの教訓にもなっていない。
再び風雨が強くなり始めた。当然薄着で出てきている。
どうしよう、このままでは凍死 してしまう。
普通では予測できない状況になること、
Θ そうこれは遭難だ !!Θ
今までにない恐怖とパニックに襲われた。
リクエストがあれば その二につづく