伯母は漬け物石にちょうどいい大きさの石をひとつ見つけ持って帰ることにした
2017/05/05
伯母がまだ新婚の頃に夫(伯父)と二人でドライブに出かけた時のこと。
子供の頃に聞いた話なので、場所はよく覚えていないが、確か群馬の
どこかの山と言っていたような気がする。
伯母たちは山道をドライブし、山道を二人で歩いたり、お弁当など食べて
新婚のデートを楽しんだ。その帰り際。
伯母は漬け物石にちょうどいい大きさの石をひとつ見つけ、持って帰ることにした。
伯父も賛成し、その石を車のトランクに積んだ。
さて帰ろう、と思ったが何故か車が動かない。
いろいろ手を尽くしたが一向にエンジンはかかる気配を見せない。
途方にくれた二人は、やっとあの石のせいではないか、と思い当たった。
「やっぱり山の神様が持っていくなと言ってるのかしらねぇ。」
伯母はそう言ってトランクから石を降ろし、元の場所に返した。
車は何事も無かったかのように動いたという。
「だからね、山のものを勝手に持ってきちゃいけないのよ。」
伯母はそう、俺に諭してくれたな・・・