山菜目当てに山をうろついていると老婆から声をかけられた
2017/04/04
110: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE   05/02/12 17:59:48 ID:8twxrfC+0
 山菜目当てに山をうろついていると、いかにも地元の村から 
やってきたという風情の老婆から声をかけられた。
峠の土産物屋を家族で経営しているとかで、まあ、店の宣伝も
兼ねて声をかけてきたらしい。
話をしていると、地元では有名なゼンマイやワラビの群生地へ
案内しようと言ってくれた。
やってきたという風情の老婆から声をかけられた。
峠の土産物屋を家族で経営しているとかで、まあ、店の宣伝も
兼ねて声をかけてきたらしい。
話をしていると、地元では有名なゼンマイやワラビの群生地へ
案内しようと言ってくれた。
 もしかしたら、観光客向けに山菜を栽培している場所が山の中に 
 いくつかあり、採取した山菜を自分の店で新鮮なうちに 
 調理し、手間賃を徴収する商売なのかもしれないと思ったが、 
 まあ、それならそれで良いと思った。 
 山に慣れた老婆の足は速く、ついていくのが精一杯だったが、 
 やがて老婆が立ち止まり、 
 「こっちにゼンマイ」 
 「ほれ、あっちがワラビ」 
 礼を言いながら老婆に追いつくと、確かに一面、特徴ある形の 
 それら山菜で溢れかえらんばかりだ。 
 「こっちの隅から取れ」 
つづく
111: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE   05/02/12 18:01:06 ID:8twxrfC+0
 つづき 
	 言われるままに老婆の指し示す場所に屈み込み、ゼンマイを摘み始めた。 
 ややあって、老婆の声 
 「じゃ、頼んだよ」 
 ん?頼んだって? 
 顔を上げようとして、目が合った。 
 老婆とではない。 
 頭蓋骨。 
 その眼窩が、まるで俺をじっと見上げているようだ。 
 眼窩から一本伸びたゼンマイ。 
 無論、老婆の姿はすでに無い。 
前にどこかで読んだ話だ。
