地方の山には「蛇の池」と呼ばれる池がある
2017/05/25
11: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ   2006/08/07(月) 00:45:48 ID:hUd7sg6j0
 同級生の話。 
	 彼の住んでいる地方の山には、「蛇の池」と呼ばれる池がある。 
 大蛇が潜んでいるという伝説があって、一昔前には目撃者も結構居たそうだ。 
 池の上には、切り出した材木を運ぶためのモッコが走っていた。 
 モッコとは綱で編んだ籠のことで、これを滑車で吊るして動かしていたとか。 
 時折その籠から池に落ちる物があった。木っ端とか道具とか、その他諸々。 
 そういった落下物は翌朝、必ず池端の土手の上に、投げ出されていた。 
 大きい物も小さい物も区別なく、池に落ちた物は水の外へ。 
 大体がちょこんと優しく置かれているのだが、金物の類いが落ちた場合は別で、 
 池から随分と離れた場所に突き刺さっているのだという。 
 まるで力任せにブン投げられたような感じで。 
 卵が落ちた場合は真逆で、絶対に殻一つさえ浮いてこないのだとか。 
 「蛇さんは 金物が大嫌いで 卵が大好き」 
 蛇の池のためか、彼の地元ではそういう認識が当たり前だったそうだ。