あいつらまだ諦めていないとみえる
2015/08/04
275 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/06/28 23:51 ID:WBtCi1tf
年寄りに聞いた話。
若かかりし頃、木橋のたもとで昼寝をしていると、頬に何かが落ちてきた。
指先で触ってみると土くれ。払いのけてもまた落ちてくる。
誰かが悪戯しているのか、と仰向けになり目を開けた。
覗き込んでいる顔が2つ。
異様に青白くふやけた肌。
口や鼻の穴、本来なら目があったはずの空洞にまで
みっしりと詰まった土が、ポロポロと降ってくる…
悲鳴をあげ、後ろも見ずに逃げた。
村の長老にそのことを話すと、しれっとした顔でこう答えた。
「あそこにはだいぶ埋まっとるからな。あいつらまだ諦めていないとみえる…」
何を諦めていないのか、それがひどく気になったそうだ。