山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

山深い峠道を歩いていると前方の道脇に何かぶら下がっている物が見えた

      2016/03/30

79: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/12/23(金) 16:51:01 ID:VVAsxIBh0
知り合いの話。

山深い峠道を歩いていると、前方の道脇に何かぶら下がっている物が見えた。
何を吊るしているんだろうと近よるうち、正体がわかって逃げ出したくなる。

男の首吊り死体だった。
嫌になったが、通報しない訳にもいくまいと思い、場所や遺体の状態を見て
おこうと梢の上方を見上げた。

すると彼の視線に合わせたかのように、ずるっと死体の首が伸びた。
ギョッとする。目を擦ってもう一度確認してみると、身体の下がっている位置は
変わらず、頭の位置だけが上に伸び上がった状態になっていた。
慌てて視線を下げると、首はすっと縮んで、初めに見た大きさに戻る。
目がおかしくなったかと困惑し、思い切り上の方に向かい頭を上げてみた。

今度は途中で止まることなく、首は勢いよくぐんぐんと伸びた。
空の遥か高みに突き刺さり、小さくなって見えなくなる。

おい、どこから吊ってるんだ!?

80: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/12/23(金) 16:52:05 ID:VVAsxIBh0
疑問で頭を一杯にしながら曇天を見上げていると、プチッと何か切れる
ような音が聞こえた。

次の瞬間、彼の目の前に凄い勢いで天から降ってきた物がある。
黒ずんで少し歪んだ、舌を吐き出した男の死顔。
舌だけがやけに鮮やかなピンク色をしていたという。
彼の顔の前で二、三度上下すると、ニヤリと薄く笑った。

そこで彼は気を失ったらしい。
意識を取り戻した時、首吊り死体はどこにも見えなくなっていた。
逃げるように山を下ると、麓の町の交番へ駆け込んだ。
事情を説明すると、交番にいた老巡査は少し笑いながら教えてくれた。

「そりゃ本物の死体じゃないな。
 この辺りに昔から出てる、首吊り入道って奴だ。
 駄目だよ、上向いちゃ。ずっと下見ていなきゃ。
 しばらくしたら消えるからさ」

アレも妖怪の一種なのかね。彼はそう言ってこの話をしてくれた。

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出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1134399217/