湖畔でのキャンプ中 キシキシと不機嫌な音を立てエンジンが静かに回っていた
2016/03/30
87: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2005/12/23(金) 23:24:05 ID:lhxRqMPB0
湖畔でのキャンプ。
焚き火をし、料理を作り、酒を飲み、ほどほどに騒ぎ、
やがてしんみりし、恥ずかしいほど真面目な話が始まった。
多くは、人生観を色々な角度で話すという、こうした場に
ありがちな光景だった。
焚き火をし、料理を作り、酒を飲み、ほどほどに騒ぎ、
やがてしんみりし、恥ずかしいほど真面目な話が始まった。
多くは、人生観を色々な角度で話すという、こうした場に
ありがちな光景だった。
どこからか、自動車のエンジン音が聞こえる。
キシキシと不機嫌な音を立て、エンジンが静かに回っていた。
いつから聞こえていたのだろう。
音は、いつまでもやまない。
話がやみ、その場を動かず、耳と目であたり一帯を探し始め、
やがて全員の視線が、そこで止まった。
耳では、とっくにそこから音がしていると分かっていた。
数メートル先の湖面。
エンジン音は、水面から湧くように響いてくる。
そして、水底に光がともった。
ぼんやりと白い光が、ふたつ。
車のヘッドライトにしか見えなかった。
水底の車からの視線を、確かに感じた。
エンジン音が、咳き込むように不規則になった。
すぐにエンジン音は消え、水底の光も消えた。
静かな暗い水面は、星あかりを反射し、揺らいでいた。