無縁さんにお茶をあげてはいけない
2015/08/30
日本海側の集落に住む祖母の話。
祖母の家の裏山には、落城したという城址があります。
その場所には、亡くなった殿様やお姫さまを弔うお墓があるそうです。
お墓は集落の人が、お世話をしていました。
祖母の母(曾祖母)は信心深い人で、ただ掃除をするだけではなく
温かいお茶をお供えしていました。
まだ少女だった祖母と、曾祖母が、掃除を済ませ、お茶をお供えして
山道を帰ろうと下りました。
すると後ろ髪を強く引っ張られます。
怖くなって大急ぎで下山し、近所の寺の住職に相談したところ
「無縁仏さんは、掃除をするだけで大喜びなんだから、温かいお茶はあげない方が良い。
喜びすぎてしまうよ」
と、諭されたそうです。
そのお山の城址は、当時の欠けた美しい茶碗なども、拾えるような場所だったそうです。
提供:しちふく さん