雪山には行っちゃいけない
2017/11/22
俺は子供の頃、祖母に「雪山には行っちゃいけないよ。」と言われながら育った。
どうやら祖母の伯父さんにあたる人が、昔、遭難したことがあるらしい。
何処の山、とは聞かなかったけど。
子供の教育のためかも知れないが、祖母はしきりに雪山は怖い、伯父さんが呼んでるから連れて行かれちゃうよ。
絶対に雪山に行っちゃだめだよ。と、言っていた。
そんな祖母も亡くなり、俺はそう言われた事などすっかり忘れて、大学の友達とスキーに行った。
場所は、福島県のNスキー場。
まだボーゲンしかできないのに、悪友の言葉に調子に乗って頂上近くまでゴンドラで登っていった。
強く吹き付けていた雪がどんどん激しくなって、ゴンドラを降りた頃には吹雪?と思うくらいに強くなり、視界も遮られていた。
スキー初心者には本当に怖かった。が、悪友たちはそんな俺を置いてさっさと降りていってしまった。
あとから降りてくる他のスキーヤーも居なくて、途方にくれていた時。
「大丈夫だ。」
という男の声が確かに聞こえた。
何故か怖さが薄らいだ。
だからといって急に滑れるようになるわけではないが、転びながらもなんとか皆の待つ麓まで降りることが出来た。
皆にはすごいじゃん、と褒められたが、何か戒められたような気がしてそれ以上調子に乗ることはやめた。
ずいぶん後に、祖母の話を思い出し、もしかしたら…なんて考えたんだけど、関係ないかも知れないね。
長文すまん。