サル
先生は大学生のときに登山同好会に入っていて、
休みの期間は泊りがけで登りに行っていたそうです。
その出来事があったとき、先生と仲間達は三泊四日の予定で登山をしていて、
おいしい空気とすばらしい眺めを味わいながら
早秋の登山を楽しんでいました。
途中で一番の古参のメンバー(何浪かしたうえに留年している、ものすごく年上の先輩)が
「雉打ち(トイレのことですね)に行ってくる」と言い残して
すこしはなれた藪の中に入っていきました。
ほかのみんなは疲れたこともあって、「じゃ、ここで少し休もうか」ということになり
休憩をすることになりました。
おしゃべりをしたりしていたのですが、そのうち先輩が消えたのとは違う方向の藪が
がさがさといいはじめたので、
先輩が返ってきたのにしては変だな?と思っていたら
そこに現われたのは一匹の大きなサルでした。
そのサルはニホンザルにしては少し色が黒く、手も長めで
首から黒いシミが点々とついた水筒を下げていたそうです。
何よりも不気味だったのは、
(後から思ったことだそうなのですが)
そのサルが数人の人間におびえることも無く
「さて、誰からにしようかな」とでもいいたげに
メンバーのそれぞれをちらちらと見比べていたところだったそうです。
戻ってきました。
するとサルはいきなり身をひるがえして、どこかへ行ってしまったそうです。
そのサルは何だったんでしょうか?
どうして先輩が戻ってきたら逃げてしまったのでしょうか?
そのことについてみんなで話し合った結果、
「それは先輩が戌年だったからではないか?」
(ほかは全員違う干支)
という結論に落ち着いたそうです。
読みにくい文章で失礼しました。
改行が多すぎ、と出たので分割しました。