行ってもいいか。行ってもいいか。
知り合いの話。
山林の中で友人と野営していた時のこと。
雨が降ってきたので早目に休むことにしたのだという。
まどろんでいるとどこからか尋ねる声がした。
行ってもいいか。行ってもいいか。
何度もしつこく聞かれたので、自分たちに害がなければいいと答えた。
すると轟音が響き、野営地のすぐそばを土石流が滑り落ちていった。
朝日が昇るやいなやその場から退散したそうだ。