山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

目の前に小さな旋風が起こった

      2016/02/18

647: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/08/14(日) 00:26:23 ID:Zgeokclg0
知り合いの話。

幼い頃、山で薪拾いの手伝いをしていた時。
しゃがんで一心不乱に薪を選んでいると、カサカサという音が聞こえてきた。
息苦しさを覚え顔を上げてみると、目の前に小さな旋風が起こっていた。
灰色の砂が渦を巻いて吹き上がっている。
旋風自体は見慣れていたが、それには何やら嫌な感じを受けたという。

旋風は急に速度を上げて、ずずっと彼に迫り始めた。
思わず薪を投げ棄て、助けを求めて逃げ出した。

叫び声を聞いて飛んできた祖父は、旋風を認めて険しい顔になった。
彼を後ろに庇うとずらりと山刀を抜き、躊躇なく渦の真中に切りつける。
しゅんっ、と音を立てて、旋風は消滅した。

大きく息を吐いた祖父さんは、彼の頭を撫でながらこう言った。
「あの旋風はダイバカといってな、馬を殺す風だ。
 あれが鬣に触れると、馬は居っ立って、口から血泡ぁ吹いて死んじまう。
 昔は馬を飼ってた馬子も多かったからな、この辺りにもよく出たもんだ」

不安になった彼に「人は取り殺さないから、まぁ大丈夫だろう」と祖父さんは
告げて、そのまま薪拾いを続けさせたそうだ。

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出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1121734649/