山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

上方の薬売りが、江戸に向けて万病に効くという妙薬即ち木乃伊を、人足をたて大至急で運んでいた

      2016/01/08

376: 狐火&プレー 2005/05/09(月) 00:15:06 ID:ugSM72e4O
二百と数十年まえの話
上方の薬売りが、江戸に向けて万病に効くという妙薬
即ち木乃伊を、人足をたて大至急で運んでいた
勿論公認の荷ではない、抜荷同然で唐
元を正せばぺるしあより遙々買い求めた品
江戸の成金の間では今正に不死への投資が熱く高まっている
早ければ速い程投資に叶う

まるで早飛脚の様に夜の峠道を駆けて行く一団の先に
背は中背、肩より下に収束する腰は瓜を凌駕するほどのくびれ
質素な着物の下に有る裸体を想像ずには居られないような
女が獣道と見紛う様な程の登り坂の途中で
喘いでいた

「もし、旅のお方ですか?」

387: 狐火&プレー 2005/05/09(月) 13:48:34 ID:ugSM72e4O
一団の指揮をとる江戸出店の手代が女に声をかけた

夜目にも白く、内側から光るような肌を間近で見た手代は
木乃伊を輸送するという行為に張りつめていた自分の気持ちが一瞬にして
解れ弾けた事を感じた、
本来なら女ひとりが宵闇の山道でうずくまり
喘いでいるなど魔物とまではいかなくとも、
盗賊や競合店の仕掛けた罠ではないかと即座に考えたであろうしかし、
女に声をかけた後一団を振り返り
「おまえ達はこのまま次の宿まで急ぎなさい、わたしはこの人を連れて後を追います」
この手代の言葉に全員が顔に安堵の色とそれと同等な不安の色を浮かべた
手代以外の者達には女がとてもこの世の者とは思えなかったからだ
しかし此処に手代が残り自分達は峠を越えて人間の住処まで行く事ができる、
その安堵と
このまま手代をおいて行ってしまったら後日
此処へ戻り手代の捜索をしなければならないのではないかという不安

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出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1113524875/