百式のプラモデル
2017/04/04
俺は当時、小学生3年 実家は田舎で家の裏手に方は山だった。
11月の初めごろだった。俺は当時仲の良かった友達と裏山で遊んでた。
一人が宝物を隠して一人が探すっていう妙な遊びをしたのを覚えてる。
俺は生贄として大事にしてた爺ちゃんに買ってもらった百式のプラモデルを
友達に渡して友達は山の奥の方にどんどん進んでいった。
いつもなら10分くらいで隠し終えて帰ってくるはずなんだけど
寒くて手の感覚がなくなってくるまで待ったが一向に帰ってこない。
俺は裏切られた気がして悲しくてトボトボと家に帰った。
どうも美味しく感じなかった。腹は減ってるんだけど箸が進まない。
爺ちゃんが「どうした?なんかあったのか?」と聞いてきたから
「xxxが一緒に遊んでたのに勝手に帰っちゃったんだ。」って答えた。
爺ちゃん「なんかきっと理由があっただけだ。明日学校でまた会えるよ」みたいなことを言った。
その時、家に電話がかかってきて、xxxxがまだ帰ってきてないっていう
そいつのお袋からの電話だった。爺ちゃんは「最後に遊んだのはどこだ?」って聞いてきて
俺は「裏の山のおやしろから川の方に行っちゃった」って言ったら
爺さんが急に立ってお袋に「探してくるから。役場の方にも電話しとけ」って言って出かけた。
裏山の入り口の方はちょっとした人だかりになって30分くらいだろうか。
役場の人と駐在の準備ができていざ出陣!って頃に
爺さんが「みつけたぞーー」って叫びながら帰ってきた。
爺さんに抱きかかえられて帰ってきたxxxxは
暗くてわかりにくかったけど目のまわりが黒あざが出来ててひどい状態だった。
鳴きながら「赤いおじさんにやられた 赤いおじさんにやられた」なんて
ずっと喚いてて病院に入院した。
病院って言っても総合病院は車で1時間くらいかかる。
あとでわかったことだけど、そいつの右腕は折れてた。
大人はもちろん大騒ぎで珍しくパトカーが何台も出て付近捜索したみたいだけど
結局、何もみつからなかった。
俺はあいつが言った赤いおじさんって言うのが怖くて怖くてその日から
しばらく爺さんと一緒に寝た。もちろん百式も返ってこない。
でも山に近寄るのもイヤだった。
高校生になった頃、ふと思い出してそいつに聞いたことがある。
「あのときの赤いおじさんって覚えてるか?」って
でも「そんな昔のこと覚えてねーよー」なんてそいつは答えたけど。
俺が2歳ん時に死んだ親父の代わりに
俺やお袋の面倒を見てくれてたその爺さんも中学にあがる頃死んだ。
その友達は高校出て2ヵ月たったあと一人暮らし先のアパートで自殺した。
理由はわからない。遺書も無かった。
今日はそいつの七回忌だ。
長文すまなかった。ふと思い出してね。書かずにはいられなかった。