袖が引っ張られる
樽前から風不死に縦走しようとしたときの事。
ガスがえらいことになって、親父とはぐれちまったんですわ。
コース外れて、何となくシャレにならん雰囲気。
「やば、こんなんで遭難なんてシャレにならん」って右往左往してる時に
「クッ」と袖が引っ張られる感触。
当然誰もいないんだけど、依然袖は引っ張られ続ける。
ついつい引っ張られる方向へ歩いていくと、親父殿発見。
ぶん殴られたけど「無事でよかった」と一安心。
結局その日は入り口まで戻って小屋に泊まりました。
で、寝ようと思ったときにふと思い出した。
無言で袖を引っ張るの、あれ山で死んだ祖母さんの癖だ。
危ないとこ行こうとしたり、なんか変なことやろうとしたら「クッ」。
「ちっこい頃とさ同じだべやな。祖母ちゃん」って思わず口走っちまった。
隣にいるみたいな感じがして。
書いてる最中に我が事ながら陳腐だなーと思ったけど、案外そんなもんなんかな
つーか普通に怖い体験とかストックあるのにこんなん書いてる時点で駄目ぽ