ダケカンバの夢を見て目が覚める事がある
2016/12/26
山小屋の前にあるキャンプ場に立っているダケカンバです。
この夢を見ると何かが起きる前兆で、急いで山小屋に行きます。」
一番初めにダケカンバの夢を見たのは10年ほど前だった。
青い空にすっくと伸びた黄色い樹皮のダケカンバが現れた。
一体なんだろうと思いながらも、気になるので山小屋に車を
飛ばして出かけると、山道で捻挫をして蹲っている登山者がいた。
登山者を担いで車に乗せ、病院まで送ってあげた。
暫くして、またダケカンバの夢を見た。
やはり気になって山小屋に行くと、発電機が壊されていた。
数日後に中学生らの団体登山が来る予定があるのだった。
知らずにいたら、食事も出せないところだった。
ある年の冬、やはり夢の後に山小屋に向かって急いでいたが、
雪が深くてなかなかたどり着けなかった。
ようやく到着したら、付近で雪崩が起きて遭難が発生していた。
「もう少し早ければ、助けられたかもしれない。残念だった」
そもそもこの山小屋のダケカンバは、伐られる運命にあった。
10年ほど前、キャンプ場を作る時、営林署の指導で枝が落ちると
危ないと言われ、8本のダケカンバを伐り倒した。
最後の9本目を伐ろうとした時、急に伐る気力が失せ、残した。
「あんまり立派だったから、伐るのがもったいなくなったのかも」
それ以来である。ダケカンバが夢に現れるようになったのは。
小平さんはダケカンバにシメ縄を張り、お神酒をあげるなどして
小屋の守り神のように大切にしてきた。
去年のこと、どうも体が疲れやすいと思っていたら、また夢に
ダケカンバが現れた。そして何故か、病院に行こうと思った。
「医者に診て貰ったら糖尿でした。血糖値が748にもなって
いて、普通の人なら昏睡状態だと言われました。ダケカンバに
命を救われたと思っています」