おそらく悪い類のものじゃない
2015/09/14
528 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/07 01:05
知り合いの話。
彼の地元の山には、古い由緒ある神社がある。
現在は舗装された道路が通じているのだが、昔から使われていた細い参拝道もまだ
残されているという。
その旧い参拝道は林の中に敷かれており、奉納された鳥居が延々と並んでいる。
氏子の中には、こちらの道を好んで通る人も多いのだそうだ。
その参拝道を一人で登ると、奇妙なことが起こるらしい。
いつの間にか、自分の横を誰かが並んで歩いているのだそうだ。
見知らぬ人物ではないようで、二人楽しく談笑しながら鳥居をくぐるという。
最後の鳥居をくぐる頃、気がつくとその連れは消えている。
不思議にもつい先ほどまで楽しく話していたその相手を、どうしても思い出せない。
「おそらく悪い類のものじゃないよ。すごく懐かしい感じがしたな」
そう言っていることからすると、どうやら彼も不思議な連れと一緒になったことが
あるようだ。
その道を一人で登る氏子は、今でもよく見かけられている。