大興寺の子生まれ石
2017/06/18
42を書いてから、なにやら地元の昔話に凝りだしてまた探ってみました。
新たな書き物を1つ。地元じゃ超有名ですけど。
子生まれ石
相良町萩間にある大興寺の裏山、西から東に流れる谷川にでると、谷川の中ほどの右岸、高い崖に、丸い石が出てくる。
初めは、小さなこぶの様な頭が出てきて、年とともに、だんだん大きくなり(全体が現れてきて)やがて、ついに川底に落ちる。
この丸い石が、頭を出し転げ落ちる様子が、人間の子供が、生まれてくるのと似ているので”大興寺の子生まれ石”と呼ばれている。
石の形は、”まゆ形”だがなかには”ひさご形”の石もあり、大きさは五,六十センチ前後で、それよりも大きな石もある。
石はどこにでも見られる自然石だが、不思議なのは大興寺の住職が死ぬ頃になるとこの石が、目に見えて崖から落ちる速度が速くなり
(全体を現してくる速度が)川底に落ちると同時に、必ず住職さんが死ぬので、その石を拾って、住職さんのお墓を立ててきた。
数百年の昔から大興寺の住職さんのお墓は、この石を墓石としてきた。
お寺の西の山には、もう二十八もの石塔が並んでいる。
それで近隣の人達は、崖にこの丸い石が顔をだしかけると、いつも「今の和尚様ももうじき死ぬぞ」と噂をするのだ。