山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

見晴らしの良い高台に張ったテントから、遠い町で上がる花火を見下ろしていた

      2016/02/11

356: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2005/08/03(水) 23:25:48 ID:BHilyKhY0
見晴らしの良い高台に張ったテントから、遠い町で上がる花火を
見下ろしていた。
火祭りでもあろうか、町のあちこちで炎が揺れ、時に行列を
作って動き回っている。

音が遅れ、小さく聞こえるほどの距離で上がる花火の姿は小さく、
ふわっと丸く広がり、ちらちらとした光を発し、跡形も無く
消えていく。
いくつもの光が消えていく。
それを眼下に見るのは、奇妙に贅沢な気分だった。
眼下に見る花火は、見上げる場合より「花火」という言葉に
相応しく思えた。

その線に気付いたのは、多くの花火が打ち上げられてからだ。

花火が弾けると、その中心付近から、黒い細い線が、夜空に
ゆっくり伸びていくのだ。
町明かりを背景に、空に向かって伸びる黒い線が何本も見えるが、
地平線を越えると見えなくなるのは、線の色が夜空と
同じ黒だからに違いない。

見ようによっては、細い線が、空という天井を支えているように
見えるし、町が、空からぶら下がっているようにも見える。

線に引かれ、夜空が降りてくるのではないか。
そんな期待感が湧き、空を見上げたが、特に変わった様子は無い。

視線を下に戻すと、町からいくつもの炎が、線を伝い、
空に向かって昇っていった。

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出典:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1121734649/