増える子供服
2017/04/04
おかんの実家は結構山奥のほうにある
で、おかんはわらびやキノコなどの山菜採りが好きで、
ガキの頃から、冬以外はほぼ一年中、山に分け入っていた
うちに嫁いでくる直前まで、足繁く山に通っていたんだって
たくさん収穫しては、自由市で売りさばいて小遣いにしてたらしい
おかんがスーパーのレジ打ちしてた二十歳くらいのころ
いつものように収穫ポイント(自分だけの穴場)に向かっていると
山道に古ぼけた子供用の自転車が捨ててあった
こんな山の中に自転車があるなんて変だなと感じた
次にまた行ったときには、古ぼけた子供の玩具が散乱していた
行くたびに玩具や子供服が増えていっているような気がする・・
ある日その場所を通ると不意に大きな音が聞こえた
「シューっ!」とか「シャーっ!」いう何か気体が噴出するような音だ
突然のことに驚いたおかんは、わけがわからなくなった
マムシの発する威嚇音なのかなとか、色々考えた
気味が悪いので足早に山を下った
それ以来山に入るのは辞めた
下っている最中、子供の泣き声がずっと頭の中で響いていたんだって
「あそこには行方不明の子供の骨でもあるんじゃないかねぇ」と
今でも自慢げに(?)話している
だったら自分で掘りに行けよ・・