テントの中に女の影
2015/07/14
友人の話
独り山奥でキャンプをしていた時のこと。
夜寝ていると、何者かの息づかいが聞こえる。
彼はシュラフにくるまり息を殺していたが、とうとう耐えきれなくなり、
枕もとのランプに火をともし、外へ出てあたりを見回した。
独り山奥でキャンプをしていた時のこと。
夜寝ていると、何者かの息づかいが聞こえる。
彼はシュラフにくるまり息を殺していたが、とうとう耐えきれなくなり、
枕もとのランプに火をともし、外へ出てあたりを見回した。
なにもいない。
ほっとしてテントに戻ろうとして、立ちすくんだ。
ランプに照らされ、テントの中に女の影がいる。
彼は硬直した。
テントには戻れない。
彼が冷や汗を垂らしていると、髪の長い女の影が動いた。
ふっ
ランプが吹き消された。
ビニールがこすれる乾いた音。
何者かがテントから這い出してこようとしているのに気付いた彼は、
悲鳴を上げて夜道を転びながら下山したそうだ。