座敷牢
542 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/05 02:00
同僚の話。
元解体業者の彼は、奇妙な仕事を請け負ったことがあるという。
現場は奥深い山林の中にあった。
かなりの豪邸だったが、更地にしてほしいと頼まれたそうだ。
もったいないと思いながら崩していると、地下に小さな空間があった。
座敷牢だった。
真砂土で埋めてくれと言われたが、そこのごつい格子戸が気になった。
牢の中からつけられた傷が、そこかしこに見受けられたという。
人間がつけられるような、ちゃちな傷跡ではなかったらしい。
傷のいくつかは、明らかにできたばかりの新しいものだった。
依頼主も仕事の紹介者も、それについて何も語らなかった。
あれはいったい何だったのかと、今も時折思い出すのだそうだ。