火起こしに慣れたプロですら煙も出なかったので
2016/03/18
リア小時代の先生の話。
先生が引率として行った山での宿泊研修で
夕食の時間にある問題が起こったという。
班ごとに別れた生徒達が、バーベキューやカレーなどを
自らが火をおこし、調理をして食べるという手筈になっていたのだが
どの班も一様に
「火が点かない」
と口を揃えて先生に訴えてくる。
火起こしに慣れたプロの指導員ですら
どんなに木を擦り合わせても煙も出ない有様だったという。
天気は乾燥気味の晴れ、風もないのに、何故かまったく火が起きない。
ライターやマッチなどの火は出るのだが
いざそれを薪や枯れ葉に燃え移らせても、みるみるうちに消えてしまう。
これはどうしたことだ、先生達は頭を捻っていると
指導員の一人が「あっ!!」と、何か思い出したように叫ぶと
やおら山に分け入っていった。
何事かと見守ること数十分、体中に泥やら枯れ葉を付着させた指導員が
フラフラになって戻ってきて
「どうもスイマセン。山頂の神さんに火を起こす許可を貰い忘れてました。」
と曰ったという。
その後、問題なく火は起こり、生徒達はようやく食事にありつくことができたという。