糞の臭い
炭焼き爺さんの昔話
ある時炭焼いてたらな、どこからとくなく糞の臭いが届いてきおった。
山ん中では糞やら死骸はそうそう臭わん。
ワシはてっきり糞を踏んだかと思って足の裏みたけんどなんも付いとらん。
釜のまわりを見てみたがなんもない。
じゃが臭いはだんだんきつくなってきてな、どうやら山ん中から臭ってきおる。
しょうがないんでシャベル持って見に行ったんじゃ。
いやぁ、あれには驚いたの。
バケツ一杯くらいの糞みたいなのがひってあった。
白っぽい半透明で、形は人のモンに似とったけど臭いは強烈じゃったわ。
ワシはそれに土をかけて草や木の枝なんか乗せたわ。
それでやっと臭くなくなったが、いったいあの糞は誰がひったのかのう。