くそがき
2016/08/09
今でもそうだけど、お盆休みはツレ夫婦と毎年岐阜に
釣りに行くんです。
その年は初日、九頭竜川支流に入る予定で、夜の8時に大阪を出ました。
そして、夜中の1時前くらいに九頭竜ダムの公園駐車場に着き、
朝まで車の中で、仮眠をとる事にしました。
その駐車場には私の車しか止まってませんでした。
 車の窓を3cm位開けてウトウトしていると、駐車場の端の方で、 
 カララ~ン、カコ~ン、と空き缶が転がる音がしてきました。 
 「風が強いのか?」 
 と思いながらもウトウトしていると、 
 やはり、 
 カララ~ン・・・、と転がっている。 
 聞くともなしに聞いていると、その内に 
 カララ~ン・・・「キャッキャッ」、「パタパタパタ(足音の様な音)」 
続く
カコ~ン・・・、「ハハハッ・・・」、「キャッ、キャッ」と子供の声が
遠くの方でしている。
 さすがにこの頃になるとおかしいと思い始め、怖くなってきた。 
 目を瞑って耐えていました。 
 しばらくして、カララ~ン、カラコロカラ~ン、と車のすぐ傍まで缶が転がってきた 
 音がして、足音が、パタパタパタと近づいてくる。 
 そして、すぐ傍まで来て、立ち止まるような気配が・・・。 
 誰かが窓から中を見ているような気配がして、 
 目を硬く閉じたままじっとしてた。 
 2,3分?いや、もっとかな? 
 大丈夫かな? 
 もう行ったかな? 
 と思った瞬間、 
 恐ろしいくらい低い声で、 
 「寝た振りしてもダメだよ」 
 「起きてるのは判ってるよ」 
 「こっちを見てみろよ」 
 と、ホント、耳元で囁かれた。 
 本当に怖くなって、大声で、 
 「じゃかましぃ~~、くそがき~」 
 と叫んでました。 
「ぼそぼそ・・・・・」、えっ?(真っ青)
ごそごそと起きて、
「どうしたの?」って聞いてきた。
恐る恐る外を見てみると何事も無かったようにシーンとしてる。
「御免、夢を見てた」
ひとまずそう答えといた。
助手席のツレは、
「ずーっと耳鳴りがしていて、頭が痛くてどうしようもない」
と言い、
嫁は、
「金縛りにあってて苦しかった」
と言ってた。
時計を見ると午前3時過ぎ。
少し早いけど、釣り場にゆっくりと向かいました。
 ツレと嫁が、 
 「本当は、何があったの?」 
 って、聞いてきましたが、言えませんでした。 
 叫んだすぐあとに、低い声で、耳元で、 
 「今度見つけたら、全員殺すぞぉ」 
  と言って去って行ったんです。 
 それからは九頭竜川には行ってません。 
 その年の釣りは散々でした。 
 その年はその後も色々と・・・・。 
 怖かったです、 
 今こうやって書いていても鳥肌が立ってます。 
でも、山の中の話じゃないからsage
