山にまつわる怖い・不思議な話(山怖まとめ)

山の怖い話、不思議な話をまとめています。

老婆

   

良人が炭を焼きに山に入ったまま降りてこないので
その妻が小さな子供の手をひいて、捜しにいくことにした。
うっそうと木が茂り、昼間でも暗い山道で
一人のみすぼらしい身なりの老婆に呼び止められた。
おまえさん、どこに行くのだえ?
その姿に子供がおびえ、母親にしがみついた。
彼女もまた怪しく思い、返事もせずにやりすごそうとした。
まあ、そんなに急いで行かずとも。
老婆はにんまり笑った。子供がわっと泣き出す。
おや。ぼう、ばばが良いものを遣わしますぞ、ヒヒヒ。
そう言うと老婆は持っていた風呂敷包みから
ずっしりと白い餅のつまった木の手桶を取り出した。
普段からろくに食べられていない貧しい女にとっては、願ってもないごちそうだ。
女は礼をいってそれを貰い受けると、また良人を探しはじめた。
子供はワンワン泣きながらついてくる。
どこの誰だかしらないが、いいものをくれた。これだけあれば家族がお腹いっぱい食べられる。
早く良人をみつけてこの朗報をしらせようと急ぐ妻だったが
餅をもっているせいか、先ほどから蝿がうるさくてかなわない。
払いながら歩いたが、後から後からやってくる。
ふと手桶から妙なにおいがしてきたような気がした妻が
よくよく手桶の中を見ると
そのなかには
ところどころ焼け爛れた、自分の良人の首が入っていた。
812811:04/03/17 23:58
乱文すいませんでした。
この話を教えてもらったときに
過去ログで炭焼きの男が窯に落ちた後、一度里に下りた仲間が戻ってきたら
遺体の内臓が何かに食べられていた・・・
という話を思い出しました。(ちょっとうろ覚えですが。)
一人で山にこもる炭焼きは、魔物にあいやすいのでしょうかね。
ダソクですが、話を聞いている最中に「良いものを・・・」のくだりで
「良いもの?それって壺?」などとくちばしをはさんで、大変おこられてしまいましたとさ。
どっとはらい。

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出典:http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1077204044/