ボタン雪を見上げる
2016/12/26
475 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/07/04 22:40 ID:zn5EOS0s
友人に聞いた話
山の頂上付近にある神社で遊んでいると、夕方になって雪が降ってきた。
鈍色の空を背景に大きなボタン雪が落ちてくるのを見つめていると、
自分の体が天に昇っていくような錯覚を覚える。
そんな感覚に夢中になって見上げるうちに首が痛くなってきた。
頭を下げて視線を水平に戻す…
トン
軽い着地の感覚。
「やれやれ、やっと戻って来た。早う家に入らんかね」
祖母の声で我に返り、辺りを見回した。
いつの間にか自宅の庭先に立っている。
薄く降り積もった雪の上には足跡一つなかった。